2014年5月20日火曜日

PC遠隔操作事件


PC遠隔操作事件で保釈中の片山被告人(刑事裁判では被告ではなく被告人という)が「自分が真犯人である。」と弁護団に連絡があった。(5月20日)

この報道を見て「やっぱり」と思った人は少なくないのではないか。
私自身この事件に関して不思議に思っていたのは、被疑者が拘留中に犯行声明のようなものが無かったことである。
通常このような事件の犯人は、世間の騒ぎを見て自らの力や能力を誇張したがる傾向があり、他人が逮捕されたのを知り犯行声明を出し、警察や世間をあざ笑うといった傾向が見受けられるものである。
しかし、今回の事件では被疑者逮捕の後犯行声明がなく不思議に思っていました。そんな折、3月に被告人が保釈されたことから、何か動きがあるのではと思っていたところ今回の告白メールである。
この告白メールで考えられることは、
    被告人が真犯人である場合で、裁判の審理を撹乱し、自らに有利に裁判が進行するよう自作自演を行う。
    真犯人が被告人の嫌疑を深めるため、あたかも被告人の自作自演であるように見せかける。
  といったことが考えられるが、②のケースで考えられる犯人は狡猾な人物で、推理小説などに登場してもおかしくはない人物である。
 結局のところこのような犯罪に関しては、犯人が誇大妄想から黙っていられなくなる傾向があり、自らを過信し「自作自演のメール」で墓穴を掘ったということであろうか。

2014年5月18日日曜日

日本国憲法はGHQからの押しつけ?


日本国憲法の存続が怪しくなってきた。特に第9条に関して内閣はこれまでの解釈に変更を加えようとしている。
そこで少し憲法について書いてみたいと思います。
まず始めに現憲法の「押しつけ論」について考えてみたいと思います。

先日ある新聞で首相補佐官の一人が、憲法改正の必要性について「現憲法はGHQの押しつけ」というような表現を使用していた。
現憲法施行後65年以上経過し、既に国民の間に定着した現在、今だにこの様な考えを持っている人がいることに、ましてや政権の中枢にある人がこの様に述べていることに驚愕した。
現憲法の制定過程を考えればこの様な考えにはならないと思うのだが。もっとしっかり勉強をしてからは発言してほしいものだ。
現憲法は周知のとおり第二次世界大戦で敗戦国となった我が国、「ポツダム宣言」を受諾し、新たな国家として再出発するために編纂されたものである。
当時、ポツダム宣言を執行するためで我が国での占領政策をおこなっていたGHQは新憲法の制定に向け、次のような要請をしたとされている。
  それは第一に天皇制の維持、第二に基本的人権の保障、そして第三は民主主義の確立であるといわれている。
これに対して我が国帝国議会を経て提出された憲法改正要綱(1946年2月提出:松本試案と呼ばれる)は、大日本帝国憲法の焼き直し、言い換えれば文言を変更のみと言っても過言ではなく、連合国(GHQ)にとって、とても受け入れられるようなものではなかった。
具体例を少し挙げてみると、第3条の「天皇は、神聖にして侵すべからず」を「天皇は至尊にして侵すべからず」に、第11条中「陸海軍」を「軍」に、第20条中「兵役の義務」を「役務に服する義務」に、そして信教の自由については「安寧秩序を妨げない限りにおいて」と規定し、その他の基本的人権規定も明確ではなく、およそ人権保障を盛り込んだものとはいえない内容となっていた。
この様な我が国政府の取り組み姿勢に絶望した連合国(GHQ)は、自らが主体となって憲法草案を作成することとなったものである。
しかし、ここで誤解してはいけないのは連合国(GHQ)が我が国の国情をまったく無視して進めていたのではない。ということである。
当時、連合国(GHQ)が憲法草案を作成するに当たり大きな影響を与えたのは、鈴木安蔵らによる憲法研究会の作成した「憲法草案要綱」であった。
また、我が国には明治以来の自由民権運動の中で、私擬憲法(有名なものとして五日市憲法など)が数多く検討され、これらにはすでに基本的人権に関する思想が盛り込まれており、これらもまた連合国(GHQ)の草案作成に大きな影響を与えたことが知られている。
この様な事実は、憲法学界での通説となっており、現憲法が押しつけであるとの主張は少数派となっている。
何よりも重要なことは、当時の我が国政府には民主主義という概念はなく、また、基本的人権の尊重という意識もまったく、新憲法(日本国憲法)が公布された際には多くの国民が歓迎していたことから、「押しつけ論」は到底的を得ているとはいえないのではないだろうか。

2014年5月9日金曜日

3Dプリンターで銃製造 大学職員を逮捕 


    3Dプリンターで製造したとみられる殺傷能力のある拳銃を所持したとして、県警薬物銃器対策課と神奈川署などは8日、銃刀法違反(所持)の疑いで、川崎市高津区久末、私立大学職員の男(27)を逮捕した。同課によると、3Dプリンターを使って製造したとみられる拳銃の摘発は全国初。
 (神奈川新聞5月9日)

 被疑者は、「違法だとは思わなかった。」とか「銃を持つ権利は基本的人権、「銃は力を最も等しくする武器」などと主張しており、いい大人が、まして契約職員であるとはいえ大学に勤務するものがこの様な意識を持っていることに驚きを禁じ得ない。
 3Dプリンターは、3次元のデータを基に複雑な立体を作製でき、従来必要としていた型枠が必要なく、少量生産と大幅なコスト削減が可能にするもので、さまざまな分野への活用が期待されている。また、安価なものもあり一般家庭にも徐々に普及しているという。
 この事件を受け国は、「一定の規制は必要」との動きを見せており、先端技術が悪用により規制を受けることのないことを願うばかりである。

2014年5月8日木曜日

相棒・・・汚名挽回は正しい?


テレビの人気ドラマ「相棒」で亀山刑事と伊丹刑事が「汚名返上」か「汚名挽回」か言い争いをしていたシーンが思い出される。

昨今、三省堂の辞書編集者が「汚名挽回」について、「汚名を元の状態に戻すこという意味であるから誤りではない。」と発言していることが少し波紋をよんでいるようだ。

これに関して一部の辞書でも誤用ではないとしているものも見受けられる。

では、「汚名返上」と「汚名挽回」のどちらが正しいのか。また、「名誉挽回」との関係は。

少なくとも「名誉返上」とは使用しないので名誉は挽回するものといえる。

さて、挽回について三省堂の辞書によれば、①失ったものをとりかえすこと。②もとへもどすこと。と記されており②の解釈により誤用ではないとしているようだ。

では汚名によって失ったものは何であろう。その主たるものは「名誉」ではないだろうか。

従って汚名を返上することで元の状態に戻し、名誉を挽回するという使用方法が正しいのではないだろうか。

なんでも漢字を並べた熟語にすればよいというものではなく、言葉の意味を大切にしたいと思うのだが。

2014年5月7日水曜日

中型運転免許取得

    政府は車両総重量5トン以上11トン未満が対象の中型自動車免許の取得条件を緩和する方向で調整に入ったとのこと。理由は、運送業界から若年労働力不足への対応を求める声が高まっているためで、現在の取得条件を緩和し若年層を採用を容易にすることを目的にしていると考えられる。
    現行の条件:20歳以上、運転経験2年以上
    中型免許の導入はトラック事故の防止が目的だったが、政府は業界からの要望を受け、免許取得時に実技講習などを義務付けることで対応。来年の通常国会に関連法案の提出を目指すとのこと。